刺さない鍼のStory

ところで、あなたは「鍼は痛い！」と思ってはいませんか？

「痛そうだから」というイメージの強い鍼灸治療

しかし、一口に鍼灸といっても「刺さない鍼」という世界もあるのをご存知でしょうか？

実は鍼の治療は「刺す鍼」と「刺さない鍼」があり、当院は刺さない鍼を扱っているので「刺す鍼」とはまた違うのです。

ここでは「刺さない鍼」の世界についてお伝えさせてください

そして、もしご興味を持っていただけたら是非とも試してみてほしいのです

きっと「鍼治療は刺すから痛い」という誤解が解けるのではないかと思いますし

「刺す鍼」よりも効果が高いことを実感していただけると思います。

当院で使用する「刺さない鍼」は中国鍼のような太く長いものでもなければ、一般的な治療院で使用されるディスポ鍼でもありません。

当院で使用しております「刺さない鍼」は長さ５.７cm、太さ１mmほどの先端を丸めた鍼です

言うなれば、先端を丸めた細い棒で先端を丸めてあるので皮下に刺し入れることはできません。

その「刺さない鍼」を皮膚表面にあて、軽くトントンと叩き身体の深部に振動を届けて身体の内側から整えていくのです。

なので刺す痛みのストレスを感じることは全くありません。

そうはいっても、初めての方には全くイメージがわきませんよね

お子さんに説明する場合をご紹介しましょう。

お子さんが来院する場合は鍼を隠すのではなく、まずお子さんの手のひらに鍼をあててみせます。「鍼」が痛いものでないことを自分の体で実感することができれば、小さいお子さんでも容易に治療を受け入れてくれるのです。

そして治療によって深いリラックスが得られた時、施術中に寝てしまわれるお子さんも多いのです。そんな治療を当院では提供させていただいております。

刺さない鍼がなぜ効くのか

けれども、「刺さない鍼」がなぜ効くのでしょうか？

当院で「刺さない鍼」を使うようになった経過については機会があればブログででも記事にするようにしましょう。ここでは技術的な側面で説明させていただきます。

そもそも古来より鍼灸の世界には「てい鍼」という種類の刺さない鍼は存在していました。しかし、その鍼の出番はいささか少なかったようです。

鍼灸とは気の補瀉、つまり足りない気を補い、余分な気を抜く、というところにその真髄があるのですが、昔の鍼灸はどちらかというと瀉法的な治療で行われることが多かったのではないでしょうか。

「てい鍼」という鍼は、補法という比較的少ない場面で使われていたようです。また、小児鍼という子供向けの治療でも刺さない鍼の技法が使われてきました。

つまり、昔から「刺さない鍼」の技法は鍼灸のごく一部ではありますがあまり一般的ではありませんでした。

当院の特徴は、その「刺さない鍼」を成人に対しても使用し、鍼そのものと気の補瀉両方の技法に工夫を凝らしたところにあります。

鍼灸術の古より伝承されてきた技、その歴史こそが「刺さない鍼が効く」ことの一つの証明でもあると、当院は考えております。

「刺さない鍼」でなければならない治療

当院では単に「痛くないから」とか「刺さなくとも効くから」という消極的な理由だけで「刺さない鍼」を洗濯したわけではありません。

この鍼だからこそできる治療であり、この鍼でなければできない治療を行なっております。